小説を読むのも書くのも大好きな、Yokaのおすすめ小説です。

今回は涙なくしては語れない感動小説を5作品紹介します。
こんな方におすすめの本たちです。
・わんわん泣いて心を洗いたい
ただ、感涙必至、涙が止まらないこと請け合いなので、通勤や通学の電車の中で読むのはあまりおすすめしないかも、です。
では、よろしくお願いいたします。
◇小説「人魚が眠る家」

著者紹介>>>
1958年大阪府生まれ、東野圭吾(ひがしのけいご)さんの作品です。
1985年『放課後』という作品で、第31回江戸川乱歩賞を受賞しデビューされています。
受賞作◇
1999年『秘密』第3回日本推理作家協会賞
2006年『容疑者Xの献身』第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞
2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』第7回中央公論文芸賞
2013年『夢幻花』第26回柴田錬三郎賞
2014年『祈りの幕が下りる時』第4回吉川英治文学賞
その他、著書多数。
あらすじ>>
「娘の小学校受験が終わったら離婚する」
そう約束していた播磨和昌と薫子に突然の悲報が届く。娘がプールで溺れた――。
病院で彼等を待っていたのは、“おそらく脳死〟という残酷な現実。
一旦は受け入れた二人だったが、娘との別れの直前に翻意。医師も驚く方法で娘との生活を続けることを決意する。
(文庫本裏表紙より)
狂気とも言える薫子の愛に周囲は翻弄されていく。
おすすめポイント>

私にも娘がいます。
重ね合わせて読んでいたことは、言うまでもないですかね。
この作品は、脳死という状況に陥った娘への、家族の過酷なまでの愛情が描かれています。
読み始めてすぐに、これはだめだと思いました。
これは絶対に泣いてしまう。
物語の先を勝手に想像して、涙が出そうにもなっていました。
自分の娘が脳死になる……。
目覚めると信じて、その可能性を信じて、周りから見れば狂った行動に映っていたとしても、それは母親のなんら不自然でも、身勝手でもない愛ゆえの行動です。
最後の最後、諦めるときが訪れます……
もう、涙は止まりませんでしたね。
◇小説「朝が来る」

著者紹介>>>
1980年山梨県生まれ、辻村深月(つじむらみづき)さんの作品です。
2004年『冷たい校舎の時は止まる』という作品で、第31回メフィスト賞を受賞しデビューされています。
受賞作◇
2011年『ツナグ』第32回吉川英治文学新人賞
2012年『鍵のない夢を見る』第147回直木三十五賞
2018年『かがみの孤城』第15回本屋大賞
その他、著書多数。
あらすじ>>
長く辛い不妊治療の末、特別養子縁組という手段を選んだ栗原清和・佐都子夫婦は民間団体の仲介で男子を授かる。
朝斗と名づけた我が子はやがて幼稚園に通うまでに成長し、家族は平穏な日々を過ごしていた。
そんなある日、夫妻のもとに電話が。
それは、息子となった朝斗を「返してほしい」というものだった――。
文庫本裏表紙より
おすすめポイント>

私たち夫婦も避妊治療を続けて、娘を授かることができました。
いまはとても幸せに、楽しい毎日を過ごしています。
だけど、治療を重ねても子どもを授からない夫婦がいます。
そして辿りつくひとつの選択として、養子縁組があります。
この「朝が来る」という作品は、
過酷な青春期を過ごして、やはり我が子に会いたいという願いが、とても切なく描かれています。
一方で、養子縁組で出会った赤ちゃん。
数年の歳月が流れれば、もう親子です。当たり前です。血の繋がりとか、そんなことは関係ないわけです。
でも、本当の親が現れたとしたら……
それでも断然と、この子は私たちの子です、と言える愛の強さと、
もうひとりの親の存在を物心ついた子どもに言い聞かして育てている優しさに、胸が震えました。
◇小説「永遠のゼロ」

著者紹介>>>
1956年大阪生まれ、百田尚樹(ひゃくたなおき)さんの作品です。
放送作家として人気番組「探偵! ナイトスクープ」など多数を構成。2006年、太田出版より刊行された『永遠の0(ゼロ)」で作家デビューされています。
受賞作◇
2013年『海賊とよばれた男』第10回本屋大賞
その他、著書多数。
あらすじ>>
「娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守るために」
そう言い続けた男は、なぜ自ら零戦に乗り命を落としたのか。終戦から60年目の夏、健太郎は死んだ祖父の生涯を調べていた。
天才だが臆病者。
想像と違う人物像に戸惑いつつも、一つの謎が浮かんでくる。記憶の断片が揃う時、明らかになる真実とは。
文庫本裏表紙より
おすすめポイント>

なぜ最後まで生きて帰る、その意思を貫かなかったのか。
ジレンマに陥る物語でもありました。
戦争をテーマにした小説はいくつか読んでいます。
でも、ここまで涙が溢れた物語はありません。
絶対に墜とされないと、それだけを考えて戻ってくる主人公は臆病者と言われるのですが、愛する妻に会いたい一心の行動、勇気があって強いひとなのだと思わざるを得なくて……
ただそれは、私たちのこの時代で、思いを馳せるからなのでしょうか。
だけど……
娘に会うまで死ねないとあれほど気持ちを奮い立たせていたのに。
特攻という絶対に死ぬ作戦に志願などしないと、あれほど生に執着していたのに。
最後の最後で、なぜ死ぬであろう選択をしたのか。
悔しくて、もどかしくて、そんな気持ちにもさせられた作品です。
別のやり方がなかったのだろうか……
◇小説「美丘」

著者紹介>>>
1960年東京生まれ、石田衣良(いしだいら)さんの作品です。
代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て1997年『池袋ウエストゲートパーク』でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビューされています。
受賞作◇
2003年『4TEENフォーティーン』直木賞
2006年『眠れぬ真珠』島清恋愛文学賞
その他、著書多数。
あらすじ>>
きみは流れ星のように自分を削り輝き続けた……
平凡な大学生活を送っていた太一の前に突然現れた問題児。
大学の準ミスとつきあっていた太一は、強烈な個性と奔放な行動力をもつ美丘に急速に魅かれていく。だが障害を乗り越え結ばれたとき、太一は衝撃の事実を告げられる。
彼女は治療法も特効薬もない病に冒されていたのだ。
魂を燃やし尽くす気高い恋人たちを描いた涙のラブストーリー。
文庫本裏表紙より
おすすめポイント>

クロイツフェルト・ヤコブ病という難病に侵されている美丘と、美丘を支え続けた太一の物語です。
まず、このシチュエーションだけでも可哀そうで泣いてしまいそうです。
私は、妻が病気になる、もう治らないと想像しただけでも涙が出てきます。
残される娘のことを思ってさらに想像は発展していき、泣けてきます。
まあ、私のことはさておき、
とにかく、太一は美丘に惹かれていくわけですが、彼女の魅惑的な描写がよいです。同じ男として、充分すぎるくらい理解できるほど、です。
そして、諦めきれない彼女への思い……
最後は、尊厳死というものを考えさせられます。
美丘をただ生かしている生命維持のための酸素吸入チューブと点滴。
そして太一の手が伸びて……
自分がもし求められたら、何ができるのだろう。
◇小説「とんび」

著者紹介>>>
1963年岡山県生まれ、重松清(しげまつきよし)さんの作品です。
出版社勤務を経て執筆活動に入り、1991年「ビフォア・ラン』でデビューされています。
受賞作◇
1999年『ナイフ』坪田譲治文学賞
1999年『エイジ』山本周五郎賞
2001年『ビタミンF』直木賞
2010年『十字架』吉川英治文学賞
2014年「ゼツメツ少年』毎日出版文化賞
その他、著書多数。
あらすじ>>
昭和37年、ヤスさんは生涯最高の喜びに包まれていた。
愛妻の美佐子さんとのあいだに待望の長男アキラが誕生し、家族3人の幸せを噛みしめる日々。しかしその団らんは、突然の悲劇によって奪われてしまう―。
アキラへの愛あまって、時に暴走し時に途方に暮れるヤスさん。
我が子の幸せだけをひたむきに願い続けた不器用な父親の姿を通して、いつの世も変わることのない不滅の情を描く。
魂ふるえる、 父と息子の物語。
文庫本裏表紙より
おすすめポイント>

前述しましたが、私の妻も娘を授かるまで、避妊治療を続けました。
だから、喜びもひとしおでしたね。
子どものしつけもよくわからず、素朴な疑問にも答えられず、妻に助け舟を求めるダメダメな男親のヤスさんが、どこかかっこいい。
私にはそう映ります。
でも、ヤスさんの妻は逝ってしまいます。
男が捨て身で不器用な愛情をぶつけながら、立派に息子を育てあげる様に、心は震えっぱなしの感動の物語です。
涙をどれだけ流せばいいのかと思うほどに。
まとめ
涙なくしては読めない感動小説を5作品紹介しました。
ほんとうにおすすめです!
感涙必至、です。
最後に、もうひとつご紹介。
そうです。私の小説です。
こちらも泣ける……と思います。
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