これまで費やしたお金を少しでも早く取り戻したい……。
そんな思いに駆られては、論理的思考はできなくなります。
もちろん合理的な判断、行動は望むべくもないですね。
サンコスト効果……。
ひとことで言うなら「もったいない病」でしょうか。
今回は、トレードに限らず、非合理的な行動により無駄に時間、お金を費やすといったことにならないように、サンコスト効果との向き合い方について見ていきたいと思います。
この記事で解決してもらいたいことは以下になります。
・サンコスト効果を上手に利用して冷静に相場を見るようにする
・サンコスト効果を上手に利用して諦めないという思いを持続する
では、よろしくお願いします。
サンコスト効果とは?
たとえばFXトレードに費やした時間、お金を考えると、いまトレードをやめるのはもったいない、になってしまっている心理。
これはサンコスト効果と言えます。
冷静な判断はできません。
撤退のタイミングであるのに先延ばしにして、損は拡大します。
まったくもって、
合理的でありませんね。
さらにひとつ例を挙げると、
時間とお金を投資して製品Aを開発しています。
しかし、他社に出し抜かれて、その製品を売り出すタイミングを逸しました。いま市場に流してもおそらく売れません。
開発プロジェクトを中断して、すべてを無駄にはせずに路線を変えていこうという案が出ます。
しかしリーダーはこれまでかけた時間と労力、そして資金を思うと首を縦に振れません……。
メンバーは「うそ~ン」と呆れています。
ここからのコストをできるだけ抑えてやり直せば、もしかすると他社との差別化が図れる商品を開発、そして売り出すことができて利益も見込めるかもしれないのに!
リーダーは完全に合理的な判断ができなくっています。
サンコスト効果の要因は損失回避!
サンコスト効果が生まれる要因として、損失を回避しようとする心理バイアスがかかっている、があります。
得る喜びよりも失う怖さを強く感じることを、
損失回避性と言いますよね。
たとえばこういう話を聞いたことがあるのではないでしょうか。
無料で引けるクジがあります。
それは、
『50%の確率で1万円が当たる(もらうことができる)が、50%の確率で外れて1万円を払わなければならない』というクジ……
多くの人が「引きたくない」と思うでしょう。同じ確率であるのに1万円を失うリスクのほうが強く感じているわけです。
トレードで例えるならこうでしょうか。
今日のトレードは損切りになって負けています。
負けを取り戻したい衝動で、またエントリーします。
すると含み益が少し出ました。
いまある利益がなくなってはと、さっきの損と相まって利確します。
チキン利食いも甚だしいですね。
少し先の利益より、少し前の損失を強く感じていることからの行動、これも損失回避と言えそうです。
では、サンコスト効果から逃れるにはどうすればいいのか。
過去の行動によって得られた結果が、いまを左右するほどの影響を与えているのであれば、
やはり、自分自身の過去の行動を省みつつ、「いまサンコスト効果に陥っているぞ」と自覚する、これしかないのでしょう。
そして自覚するための〝きっかけ〟にするため、このワードをサインとしましょう。
それは〝せっかく〟です。
「せっかくここまで、〇〇だったのに~」
この言葉で注意喚起!
一歩を踏み止まって、これからしようとする行動を見つめ直します。
冷静になるまで相場から離れましょう。
合理的な考えができるになるまで、です。
サンコスト効果を逆手に取って上手に付き合っていく!
これまで話してきた、もったいない、という心理からくるサンコスト効果。
損失回避をしてしまう行動を逆手に取ることもできそうです。
どういうことか。
FXに限ったことではないでしょうが、成功するために何より大切なことは〝諦めない〟だと思っています。
たとえば、FXの勉強教材を買います。
負けが続き、拠出金を入金します。
どういう心理が働くのか……
ここで諦めて、やめてしまったら
〝もったいない〟ですね。
逆手に取った結果が勉強の継続に繋がっていて、諦めなかったことで、この先、トレードで成功している可能性は高まります。
これは日常生活においても、ビジネスシーンにおいても応用できる思考だと思います。
自分をいい意味で騙す、というのでしょうか。
その他の心理効果について、以下の記事を参考にしてもらえればと思います。
FXトレードのスキルUPに参考してもらえると幸いです。
まとめ
サンコスト効果は、ひとことで言うなら「もったいない病」です。
これまで費やしたお金を少しでも早く取り戻したいに駆られて、もはや論理的思考もなく、合理的な判断、行動ができなくなります。
損失を回避しようとする心理バイアスがかかっていることが、サンコスト効果を生む要因です。
サンコスト効果から逃れるにはどうすればいいのか。
「せっかくここまで、〇〇だったのに~」と、
〝せっかく〟のワードをサインとしましょう、でした。
このサインに気づいたら、踏み止まって次の行動を見つめ直す、です。
そして、サンコスト効果と上手に付き合うには、逆手に取る、でしたね。
ここで諦めて、やめてしまったら〝もったいない〟です。
自分をいい意味で騙すということです。
成功に向かって、頑張りましょう。
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